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2008年01月10日(木) 07時43分

「仮免」消防車で路上練習 津市消防本部、住民通報で中止東京新聞

 津市消防本部が、消防車の運転に必要な大型自動車免許を取ろうとした仮免許中の職員に、消防車で一般道を練習運転させていたことが分かった。「仮免許」のプレートを付けて走る消防車を目撃した市民から通報が入ったため、同本部は「道交法違反ではないが、市民に誤解を与えた」と、今後は行わないことにした。

 同本部によると、大型免許の仮免許中だった職員1人が昨年9月と10月の計5日間、久居消防署の水槽付きポンプ車を運転し、一般道路を計182キロ走った。「仮免許 練習中」の表示を付け、大型免許を持つ職員が助手席に同乗して練習。しかし市民からは「公の消防車で練習させるなんて」などの指摘も出た。

 消防車に必要な大型免許は、これまで運転免許場で運転試験を1回受ければ済んだが、昨年6月の改正道交法施行で、運転試験が2回となり、最初の試験に受かっても仮免許期間として1日2時間以上、計5日間の路上練習をしなければ、2回目の試験が受けられなくなった。

 同本部では職員345人のうち289人が大型免許を持つ。消防活動に新たに従事する職員には取得を義務付けており、この職員も必要となった。

 他の消防では、職員らは自動車学校に通って大型免許を取る場合がほとんどで、費用を補助する自治体もあるという。しかし津市には補助制度がなく一般企業では仮免許の従業員に所有トラックなどで路上練習させるところもあるため、同本部は「自動車学校は私費で二十数万円払ってもらうなど負担が大きく、消防車を使う方法を考えた」という。

 この職員は既に免許を取得したが、今後大型免許が必要となった職員が出た場合、自動車学校に通ってもらうという。消防庁は「全国的に把握していないが、このような免許取得の方法は初めて聞いた」と話し「消防車を使った仮免許での練習は望ましくない」としている。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008011090055916.html