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2008年01月10日(木) 17時31分

取り調べ録画「有力手段」=審理短縮で研究報告−裁判員制度・最高裁司法研時事通信

 裁判員制度で、起訴事実が争われる事件の審理のあり方について、最高裁司法研修所は10日、研究報告の骨子をまとめた。被告が捜査段階の自白を翻した場合について「取り調べ状況の録画録音が自白の任意性の立証手段として有力な選択肢となる」と指摘した。
 研究は東京、大阪両地裁の裁判官計5人に委嘱し、従来なら判決まで数年掛かるような「大型否認事件」の審理短縮化の方策を検討した。
 研究報告は、審理が長期化する要因として(1)直接証拠がなく、間接証拠の積み重ねで立証する(2)捜査段階で自白した被告が公判で否認に転じた(3)証人が公判で捜査段階と異なる証言をした−場合を挙げた。
 供述を翻した場合は自発的な自白だったか(任意性)が中心的な争点になるが、研究報告はすべての供述調書を詳細に読んで判断する従来の方法を「裁判員裁判では放棄せざるを得ない」と指摘。取り調べた警察官や検察官の尋問も「決め手を欠いた水掛け論になりやすく、裁判員にとって判断は困難」とした。 

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