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2008年01月10日(木) 20時09分

<裁判員制度>取り調べ録音は「有力な選択肢」…司法研修所毎日新聞

 最高裁司法研修所は、被告が否認している刑事裁判を、裁判員が参加しやすいように短縮化する方策を探った研究報告書の骨子をまとめた。取り調べの録音・録画を「有力な選択肢」と位置付けており、捜査の在り方にも影響を与えそうだ。

 捜査段階の自白しか決定的証拠がなく、被告側が「自白を強要された」などと否認に転じた場合は、裁判が長引くケースが多い。従来は(1)検察側がすべての供述調書を提出して「不自然な変遷はない」と主張(2)担当警察官が「適切な取り調べだった」と証言−−するなどしてきたが、決め手に欠けた。

 裁判員に大量の調書を読んでもらう(1)の手法は「負担が重く、放棄せざるを得ない」と指摘。(2)も「水掛け論になりやすい」と否定。一方、取り調べの録音・録画は「任意性の立証手段として有力な選択肢」と評価した。

 報告書は、公判前に弁護側も具体的主張を明らかにすることや、公判での主張変更は原則認めない考えなども提言。審理に1〜3年かかった否認事件5件を分析し、こうした方策を採用すれば、16〜39回だった公判を5〜13回に減らせるとした。【高倉友彰】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080110-00000108-mai-soci