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2008年01月10日(木) 08時01分

西村真悟議員長男、赤坂宿舎20階から転落死スポーツ報知

 9日午前10時半ごろ、東京都港区の衆院赤坂議員宿舎のエントランス付近で、西村真悟衆院議員(59)=無所属=の長男で会社員の林太郎(りんたろう)さん(26)が倒れているのが見つかった。病院に搬送されたが正午過ぎに死亡が確認された。20階にある西村議員の部屋から飛び降りたとみられ、警視庁赤坂署は自殺の可能性があるとみて調べている。林太郎さんは重度のうつ状態で父子で会話を交わした直後の死だった。

 林太郎さんは20階にある西村議員の部屋のベランダから飛び降り、1階玄関の屋根に転落したとみられている。赤坂署によると、転落した林太郎さんはジーパンにはだし。遺書のようなものは見つかっていない。

 西村議員はこの日午後2時過ぎ、報道陣に経緯を説明。直筆でつづったB5の用紙を読み上げ林太郎さんが昨年末から「うつ状態」に陥っていたことを明かした。

 林太郎さんは8日午後4時、慶応大病院精神科で受診。「強いうつ状態」との診断を受け、すぐ入院するつもりで準備したが、受け入れ先の病院のベッドに空きがなく、宿舎に引き揚げた。その後は「楽しく食事をして就寝した」(西村氏)という。

 9日朝、西村議員は林太郎さんに「よく寝たか」と声をかけ外出。林太郎さんを再び慶大病院に連れて行くため、出先から妻の携帯に電話をしたところ、息子の不在を知らされた。驚いて宿舎に戻ると「ベランダから身を乗り出して下を見て、横たわる林太郎の姿を認め」たという。

 林太郎さんは「妻が歯を磨くため30秒ほど目を離した間にこつ然と」姿を消していた。慶大病院に運ばれたが午後0時7分、死亡が確認された。

 西村議員は時折涙をこらえる様子で「この突然の悲しみの中でなぜ、林太郎の転落を止めることができなかったのかと深く自責の念にかられました。林太郎は、うつの苦しみから解放され、神に召されたのだと慰め合っている」と話した。

 西村議員の秘書によると、林太郎さんは弁護士を目指し堺市で司法試験の勉強をしていたが失敗し上京。赤坂宿舎に仮住まいし、4日から都内の出版社に勤務していた。

 一家を知る関係者によると、林太郎さんは学習院大学を卒業し法科大学院に進学。「線が細いところもあった。弁護士だった父親をとても尊敬していた。ここ2年間くらい、司法試験を受けていたが、どうしても弁護士というのではなかったようだ」。3人きょうだいで、二男は自衛官。「妹はこの春にも結婚の予定だったようだ」(関係者)

 林太郎さんの遺体は午後5時過ぎ、霊安室から病院敷地内の別の場所へと運び出された。西村議員は05年、弁護士法違反容疑などで逮捕、昨年2月に懲役2年、執行猶予5年の有罪判決が確定。民主党を除籍されたが、議員は辞職しなかった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080110-00000090-sph-soci