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2008年01月07日(月) 14時30分

還付金詐欺急増、被害総額24・5億円と前年の7倍読売新聞

 税務署員などと偽り、納め過ぎた税金の還付が受けられると持ちかけ、現金自動預け払い機(ATM)を操作させて現金をだまし取る詐欺事件が急増している。

 2007年は11月末までに2158件、計約24億5000万円の被害が確認されているが、06年同時期の被害に比べ、認知件数で6・5倍、被害総額で約7倍に拡大している。被害者の大半が60歳以上の高齢者で、ATM操作が不慣れな点を狙われていると見られる。警察庁は新たな振り込め詐欺と分類し、全国の警察に捜査の強化を指示した。

 警察庁によると、06年6月、埼玉県で初めて還付金詐欺の被害が確認された。件数は月を追うごとに増加し、同年の11月末までは328件、被害総額は約3億4000万円だった。昨年は1月の79件を除き、6月まで100件台で推移していたが7月に200件、10月に300件を突破。11月は過去最悪の387件に上った。

 被害は全国に及び、手口はほぼ共通している。犯行グループは、税務署や社会保険事務所など公的機関の職員を名乗って被害者に電話をかけ、税金や年金などの還付金の払い戻しを受けるために、携帯電話とキャッシュカードを持ってATMに行くように指示。その後、被害者の携帯電話に連絡し、還付金を受け取るための操作手順を教えるふりをして、「本人確認の暗証番号」「還付コード」などと偽って、実際は振り込みの金額や口座番号を入力させ、被害者の預金口座から送金させている。

 巧妙に被害者心理を突いて犯行に及ぶ悪質さも指摘されている。例えば、「手続きは本日まで」と期限を区切ったり、還付額を1円単位まで告げて信じ込ませたりするケースが多い。また、巡回する行員がいない金融機関や、コンビニエンスストアのATMを使うように指示するケースも目立っている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080107it06.htm?from=navr