記事登録
2008年01月05日(土) 02時36分

<比エビ養殖>FBIに「事業停止」と説明 詐欺容疑も浮上毎日新聞

 フィリピンでのエビ養殖事業への出資名目で多額の資金を集めた投資会社「ワールドオーシャンファーム」(東京都台東区)の会長、黒岩勇容疑者(58)=出入国管理法違反容疑などで逮捕=が、米連邦捜査局(FBI)の事情聴取を受け、出資の募集が続いていた昨年2月の時点で「事業は停止した」と説明していたことが分かった。同社の巨額資金が米国に送金されていたことも判明、警視庁は詐欺容疑で資金集めの実態を調べている。

 ワールドオーシャンファームはエビ養殖事業への投資名目で全国の約4万人から約600億円を集めたとされる。昨年5月に破綻(はたん)が表面化し、生活経済課が7月に関連先を家宅捜索した。

 生活経済課などによると、米国への巨額送金が行われたのは昨年2月。日本国内の郵便局の関連口座から、4000万ドル(当時のレートで48億円)が日本人名義で米国内の金融機関に開設された口座に送られたという。

 テロなどを警戒して不審な資金の動きを監視していたFBIが、「犯罪に関与した資金の疑いがある」として米側の口座を凍結。黒岩会長からも事情を聴いた。黒岩会長は「07年2月以降、エビ養殖はせず、米国に資産を投入していた」と説明したという。

 実際には破綻が明らかになった昨年5月ごろまで投資名目の勧誘が続いており、生活経済課は今後、詐欺容疑で黒岩容疑者を追及。米国で凍結された資金についても、出資者から集めた資金の一部を海外に隠すために送金された疑いがあるとみて調べを進める。【曽田拓】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080105-00000014-mai-soci