記事登録
2008年01月05日(土) 03時02分

生活保護業務ケースワーカー、無資格者が23%…全国調査読売新聞

 全国の福祉事務所で生活保護業務に従事するケースワーカーの4人に1人が、社会福祉法で義務付けられた社会福祉主事の資格を取得していないことが、読売新聞の調査で明らかになった。

 ケースワーカーは自治体職員だが、経験3年未満が全体の7割近いことも判明、保護世帯の増加に対して自治体側の職員育成が追いついていない現状が浮き彫りになった。

 読売新聞が東京23区と17政令市、47都道府県にアンケートし、昨年4月時点での全自治体の人員配置状況を集計、分析した。

 全国1237福祉事務所のケースワーカー計1万3150人のうち、社会福祉主事の資格を持っていない者は23・4%。無資格者の割合が最も高かった政令市は大阪市で69・4%。都道府県は宮城県(仙台市を除く)の46・6%が最高だった。

 一方、経験年数は、判明した9963人を見ると1年未満が23・3%で、これも含めた3年未満は67・5%。大阪市は3年未満が99・6%を占めた。

 ケースワーカーは、生活困窮者らから相談を受け、生活保護の必要性を判断するほか、公共職業安定所など他官庁との調整も行う。

 2006年度の保護世帯は約108万世帯と5年前より3割増加したが、ケースワーカーについては「心身ともにハードな仕事で希望者が少ない。ベテランの大量定年退職と保護世帯増加に伴う増員が重なり、経験豊かな人材の確保が困難になっている」(大阪市)という。

 厚生労働省社会・援護局は「無資格者の従事は違法。判明すれば、早急に改善を指導する」としているが罰則規定はなく、「従事するな、とまでは言えないほど現状は厳しい」(同省関係者)との指摘もある。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080105i101.htm