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2008年01月05日(土) 01時47分

資金に窮した「カリスマ」 逮捕のエビ養殖会長産経新聞

 数々のマルチ事件に手を染め、「カリスマ詐欺師」の異名を取った黒岩勇容疑者。逮捕された際は「カリスマらしく身なりは整っていた」(捜査幹部)ものの、銀行口座の凍結が進み、逃走資金に窮していたとの見方が強い。

 ワールドオーシャンファームをめぐっては昨年2月、米国に送金された約48億円(4000万ドル)の口座が米連邦捜査局(FBI)によって凍結されたほか、警視庁も複数あった口座の凍結を進めている。

 黒岩容疑者が現金を引き出そうとした口座にも、警視庁が存在を把握し、凍結手続きを進めている最中だった。「凍結が進んで、残った数少ない口座から金を下ろすため帰国した」(捜査幹部)とみられる。

 黒岩容疑者は昨年12月20日にベトナムから福岡空港(福岡)に入国。ワ社の関係者と国内で接触した形跡はなく、単独で行動していたとみられている。

 ワ社は昨年5月、所有株を売却して2億円の現金を取得するなど、破綻前に現金を集める動きを加速。昨年7月以降の家宅捜索では、事業に深く関与していた長男の関係先から数億円の現金が見つかっている。

 調べに対し黒岩容疑者は、他人名義のパスポートを使用したことは認めているが、「詐欺やそれ以外の話題は、のらりくらりとかわしている」(捜査幹部)という。警視庁は東南アジアでの滞在先のほか、資産の全容についても黒岩容疑者を追及する方針だ。

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