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2008年01月03日(木) 17時39分

美容サロン 「指示なく」次々に閉鎖読売新聞

社長説明 「今月中に方針示せる」

 「会社の再生が、社員をお客さんを守る方法だと思って最後までやってきたんだが……」。全国でエステや美容院を展開する「ビューティークリニカル」(東京都中央区)の店舗閉鎖問題で、読売新聞の取材に応じた菅原重美社長は、突然の店舗閉鎖に至る経緯を具体的に説明した。その上で、顧客が購入した前払い利用券が使えなくなっている点については、「経営者として大変申し訳なく思っている」などと述べ、謝罪の言葉を繰り返した。

 菅原社長によると、同社は1999年11月に青森市松原にエステ店を開業した後、店舗を10都府県19店舗にまで増やしたが、昨年9月、「予定していた都市銀行からの借り入れができなくなった」ことから資金繰りが悪化。11月には経理などを担当する事務員5人が一斉に退社し、「どこにどういう書類があるかわからず、(会社は)パニック状態に陥った」という。

 菅原社長は、黒字部門に事業を絞って経営を継続する計画を12月初めにまとめた。しかし、カード決済代行会社が12月に売り上げの送金を停止したことで、賃金支払いにめどが立たなくなった。「社員が解雇を求めている」と幹部に聞かされ、「社員が望むならと思って口頭でオーケーした」。店舗は菅原社長の指示がないままに次々と閉鎖されたという。

 昨年12月中旬から、債権者らと連絡が取れなくなった理由については、自宅などに関係者が押し掛けたため、「家族だけでも避難させてから自分が表に出るつもりだった」と説明。今後については明言を避けたが、「弁護士と相談し、1月中には方向性を示せると思う」と述べた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aomori/news/20080103-OYT8T00034.htm