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2008年01月02日(水) 06時38分

米金融機関の損失、さらに急増か サブプライム影響朝日新聞

 米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き急増で、米大手金融機関の損失計上が今年も続き、損失額はさらに膨れそうだ。今月に発表される昨年10〜12月期決算では、最大手シティグループなど主要3社だけで新たに計約336億ドル(約3兆8000億円)の評価損が計上されるとの予測も浮上。日本などに持つ資産の売却や減配、人員削減が取りざたされている。

 金融大手ゴールドマン・サックスによると、10〜12月期の評価損見通しはシティが187億ドルで、これまでの予測より7割増えた。メリルリンチは9割増の115億ドル、JPモルガン・チェースは2倍の34億ドルと見ている。サブプライム債権などをもとにした債務担保証券(CDO)関連の損失が膨らむためで、「危機局面が一服するまでに、あと2四半期はかかるだろう」という。

 大手金融機関はこれまでに総額1000億ドル程度の損失を計上したが、新たな評価損の表面化は今年半ばごろまで続く可能性が高い。アナリストの間では、最終的な損失総額は5千億ドル(約56兆円)にのぼるとの見方も出ている。

 今後注目されるのが、最大手シティの対策だ。アラブ首長国連邦(UAE)の政府系ファンドからの出資受け入れに加え、米自動車ローンや日本の消費者金融事業など計120億ドル相当の資産や企業を売却したり、約2万人の人員を削減したりするとの観測が出ており、配当を4割減らす可能性も指摘される。

 メリルリンチについても、近く従業員の約3%にあたる1600人程度の削減を発表する、と米メディアは伝えている。

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