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2008年01月01日(火) 18時56分

健康飲料販売「アルビアン」詐欺、当時の社長ら書類送検へ読売新聞

 健康飲料販売会社「アルビアン」(本社・東京都港区)が実体のない事業への出資名目で巨額の資金を集めていた詐欺事件で、愛知県警と警視庁などの合同捜査本部は、会社ぐるみで出資金を詐取していたとして、当時の同社社長ら幹部4人を今月中にも詐欺容疑で名古屋地検に書類送検する方針を決めた。

 合同捜査本部などによると、同社は2000年8月ごろから約1年間に、飲料水販売用スタンドの権利などへの出資名目で全国の約3000人から約74億円を集めていた。しかし、実際にはスタンドはほとんど設置されず、配当も01年9月ごろには完全に止まり、出資金のうち約50億円が返還不能になった。

 合同捜査本部は02年、出資法違反(預かり金の禁止)容疑で、16都道県の同社関係先を一斉に捜索。03年には、元会長らが愛知県内の投資家ら約20人から出資金約1億円をだまし取った疑いが強まったとして、詐欺容疑で逮捕状を取った。しかし、元会長が直後に所在不明となったため、捜査は進展しなかった。

 事件は今年6月以降、5人が順次、公訴時効(7年)を迎えるため、合同捜査本部は、元会長については引き続き行方を追う一方、当時の社長ら4人をまず書類送検することにした。

 同社は、飲料水販売用スタンド名目のほか、「人工衛星による携帯電話事業」「ジャマイカでのコーヒー園設立」などの事業計画を次々に打ち出したが、01年末には経営破たんした。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080101i111.htm