コンビニエンスストア大手のローソンは1月から、大手製パン会社のパン製品を対象に、都市と地方で店頭価格に差をつける地域別価格を導入する。
まず数種類の菓子パンから始め、十数種類まで広げる方針で、九州や東北などで販売するパンは内容量を減らしたり原材料を変えるなどして、東京など都市部よりも1〜2割安い値段に設定する。
パン製品は、原料の小麦粉の価格上昇や原油高を理由に大手製パン会社が2007年12月に値上げしているが、このままでは景況感が悪化している地方での売れ行きが落ちると判断した。食品メーカーの名前で販売する商品(ナショナル・ブランド)に地域別価格を導入するのはコンビニ業界で初めて。今後、地域別価格の対象を広げるため、他の食品メーカーとも交渉を進める。ただし、内容量や原材料が全く同じ商品は全国一律価格を維持する。
ローソンは「メーカーも価格を上げて売れなくなっては意味がない。地域によって購買力に差が生じており、消費者に手にとってもらえる値段の商品を展開したい」と話している。
製パン会社は全国に工場を展開しており、商品や販売地域ごとに生産ラインをきめ細かく変えることができるという。コンビニ各社は、自主企画商品(プライベート・ブランド)として製造・販売している弁当などでは、すでに地域によって内容量を減らして安い値段で販売している。