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2007年12月31日(月) 11時24分

「競馬予想ソフトで高配当」計12億円の出資金返還されず読売新聞

 福岡市博多区の競馬予想ソフト販売会社の男性社長(56)が、「ソフトを使った競馬予想に出資すれば、元本保証で高配当が得られる」とうたい、全国から違法に出資金を集めていたことがわかった。

 配当は2007年5月でほぼ途絶え、出資金も返還されていない。被害は、少なくとも12都府県の83個人・法人約12億5000万円に上り、長崎県警は出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで捜査を開始した。

 関係者によると、社長は06年4月ごろから、東京都渋谷区や横浜市、長崎市などの主婦や会社経営者らに対し、「私の会社で販売している競馬予想ソフトを使って馬券を購入し、資産運用する専門家が20人いる」などと虚偽の説明をし、出資を持ちかけていた。出資者には元本保証で毎月15〜5%の配当を約束。さらに新規出資者を勧誘すると、月2〜1%の紹介料を支払うとしたことで、出資者はネズミ算式に増えた。

 長崎市の60歳代女性は06年4月、ソフト販売の営業で自宅に来た社長から「私のサイドビジネスがある」と出資を持ちかけられた。その場で社長名義の残高5000万円の預金通帳を見せられて信用し、600万円を出資した。

 女性は月7〜5%の配当金に加え、家族や知人ら計3人を勧誘した紹介料で総額計約200万円を得たが、07年3月に配当が止まって400万円の損失が生じたという。

 社長は読売新聞の取材に、「出資法に抵触することはわかっていた」と違法な金集めを認め、「競馬予想が外れたり、配当金を支払ったりして資金は底をついた」と話している。競馬予想ソフトは、的中率が高いとするレースと馬券を抽出し、画面上に表示する内容。別会社が製作、社長の会社が代理店となっていた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071231i103.htm