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2007年12月31日(月) 02時31分

<霊感商法>来月にも警視処分、免職含め協議 神奈川県警毎日新聞

 神奈川県警警備課長を解任された吉田澄雄警視(52)が関与したとされる有限会社「神(しん)世界」グループの霊感商法事件で、県警は来月にも、吉田警視が地方公務員法に抵触する行為を重ねていたとして懲戒処分する方針を固めた。吉田警視は「詐欺の認識はなかった」と話し、捜査の長期化が避けられない見通しだ。県警は幹部のかかわりを重視し処分を先行させることとし、免職に当たるかどうか警察庁と協議に入った。

 これまでの調べで、吉田警視は▽出入りしていたヒーリングサロン「びびっととうきょう青山サロン」(東京都港区)で上部会社に売上金を入金するなど会計を担当し、報酬も受け取っていた▽青山サロンの運営資金を得るため、警視の立場を利用して部下の警察官3人をサロンへ勧誘し、計1000万円以上をつぎ込ませていた▽職務時間中に数回無断外出して県警本部近くの金融機関で青山サロンへの入金状況を確認していた−−などの疑いが持たれている。

 地方公務員法は地方公務員が営利企業に従事することを制限し、信用を失墜させる行為の禁止、職務に専念する義務なども定めている。県警は吉田警視の一連の行為が同法違反に当たるとの見方を強めている。

 県警内では田端智明本部長が厳正対処の姿勢を示し、別の幹部からも「軽い処分では国民に納得されない」との声がある。ただ、同法違反のケースでは個別の行為ごとに処分され、複数の違反行為を合わせて処分したケースはほとんどないという。県警は霊感商法へのかかわりの行為全体が免職に相当するか警察庁と協議している。

 吉田警視は警察庁に派遣後、県警公安2課課長代理や国際テロ対策室長を務めた。今年9月から警備課長で、事件を受けて警備部付となった。県警によると、91年に青山サロンを経営する杉本明枝社長(44)と知り合い、01年ごろからサロンの上部団体「神世界」に通い始め、徐々に傾倒していったという。【堀智行、野口由紀】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071231-00000011-mai-soci