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2007年12月30日(日) 15時05分

〈TV端会議〉テレビに厳しい目が向けられた年朝日新聞

■次々週は
 名バイプレーヤーの小日向文世の連ドラ初主演作「あしたの、喜多善男」(フジ系)が1月から始まります。最近の主演俳優が固定的になる中、新鮮さを感じます。あなたの好きな脇役がこんなドラマに主演して欲しいという案を教えて下さい。1月7日(月)必着。
■次週は
 2008年はどんな年になるでしょう。こんな番組を見たいという、みなさんのリクエストを紹介します。投稿募集はすでに締め切ってあります。ご了承下さい。
■投稿方法
 応募はEメールでこちらまで。

匿名・ペンネームでの掲載もOKですが、投稿時は住所・氏名・年齢・電話番号を明記してください。採用分には薄謝を進呈します。朝日新聞紙上で紹介するほか、本社各種電子メディアに収録する場合があります。

 テーマは、テレビに関する07年のニュース。感動の名場面から鋭い批判まで、様々な意見を頂きました。

 感動の瞬間といえば、やはりスポーツ。「夏の甲子園の決勝で佐賀北高の信じられない逆転満塁本塁打!漫画みたい。いえ、漫画を超えています」(大分県・石井かおり・46歳)、「野球の北京五輪アジア予選の対韓国戦。ライバル同士の1点を巡る好ゲームで肩に力が入りました。いつ放送が打ち切られるのか、これにもドキドキハラハラ。終了まで延長され、テレビ局のホームランでした」(三重県・徳梅淳二・52歳)。

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 一方、朝青龍、亀田一家の騒動をめぐる投稿が多数寄せられました。「スポーツ選手の品格、マナーが議論される発端となった出来事で、スポーツ報道に対するメディアの姿勢を問われた1年」(東京都・井上夏輝・34歳)。視聴者の厳しい目は、健康情報番組「発掘!あるある大事典II」の捏造(ねつぞう)問題にも向けられました。「テレビの情報発信のあり方自体を問う意味で挙げないわけにはいかない。世界的な科学誌ネイチャーにも取り上げられたほどのインパクトがあった」(神戸市・匿名希望・36歳男性)。

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 ニュース報道では、安倍前首相の突然の辞任。「まさに青天のへきれき。呆気(あっけ)にとられてしまいました。同じ年の前首相に親近感がありましたが、非常に残念でなりません」(兵庫県・榎本日出夫・53歳)。テレビ出演する政治家が増え、「政治家の発言に対し、その本質、背景を追求するテレビ局がほとんどなかった」(宮城県・佐藤一・58歳)という辛口の意見も。このほか食品偽装などで相次いだ謝罪会見も印象深かったようです。

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 様々な番組で格差問題がクローズアップされた年でした。「ワイドショーは格差社会を反映していたと思います。ワーキングプアの話題の後、六本木のビルの高級デザートの店を紹介するなど、極端に感じました」(秋田県・アキコ・40歳女性)。

 最後は心温まるお話で。「約30年前の番組映像が流れ、観客として映っていた義母を夫が見つけました。結婚前に亡くなり、今の私より若い義母の動く姿を初めて見ました。お正月に家族で録画を見ようと思います」(埼玉県・のりりん・41歳女性)。よいお年を!

◆記者もひとこと

 次々と起こる事件に、衝撃的な出来事さえ、すぐ上書きされてしまうような日々。たった1年のことなのに、ずいぶん昔のように感じたトピックスもありました。私の場合、長崎・佐世保の散弾銃乱射事件で記憶が呼び覚まされたこともあり、突然のテロップと中継に驚いた長崎前市長の射殺事件です。電車で居眠りしたり深夜の街中を歩いたりできる日本はいいなと思っていたのですが……。絶えず緊張して暮らさなければならない国になってしまうのでしょうか。

http://www.asahi.com/culture/tv_radio/TKY200712300070.html