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2007年12月28日(金) 16時00分

伊賀市元総務部長詐欺:市内の男性、1〜2年前に市長らに被害相談 /三重毎日新聞

 ◇副市長「忘れていた」
 伊賀市の元総務部長、長谷川正俊被告(59)=懲戒免職=が、知人男性から贈与税の代行納付名目で現金を詐取した容疑で逮捕、起訴された事件で、別の男性が1〜2年前、同市の権蛇英明副市長や今岡睦之市長に直接、「自分が預けた金をだまし取られた」と被害を相談していたことが27日分かった。市長らは、相談を受けても長谷川被告に事実関係の確認などはしなかったと認めている。
 被害に遭った同市内の70歳代の男性によると04年末ごろ、公共団体に対する親族の債務について長谷川被告に相談した際「ちょっと納めてくれれば、うまく取り計らう」と言われ、親族に代わり現金130万円を預けた。
 ところが、後に督促状が届いたことから、長谷川被告をただしたところ、着服を認めたという。男性は直後に市役所を訪ね、権蛇副市長に相談。今岡市長にも、断片的に伝えたという。しかし男性は長谷川被告とは親しい間柄で後日、市長らにそれぞれ「この件はもういい。誰にも言わないでほしい」と伝えた。130万円は返済されないままという。
 男性から相談を受けたことについて、権蛇副市長は「最近まで完全に忘れていた。長谷川被告の人事を決める際も頭から抜け落ちていた。被害男性から、その後この話は出ておらず、終わったものだと思っていた」と話しており、今岡市長も同様の釈明をしたうえで「結果論なので、長谷川被告の任命責任は何と言われても仕方ない」としている。【傳田賢史】
〔伊賀版〕

12月28日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071228-00000202-mailo-l24