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2007年12月28日(金) 19時00分

「神世界」サロン「利用者」 マスコミにファクス・電話攻勢?J-CASTニュース

 有限会社「神世界」による霊感商法事件で、神奈川県警の強制捜査から1週間がたつが、ここ2日ほどで不可解な動きが起きている。マスコミに「ヒーリングサロンのことを悪く言わないで」という電話やファクスが相次いでいるらしいのだ。一様に「サロン側に指示されたのではない」と主張するが、奇妙なことに、主張内容が驚くほど酷似しているのだ。

■ポリープなくなり、営業成績上がり、親子関係改善する?

 J-CASTニュース編集部には12月27日昼から28日夕方にかけて、「『霊感商法』についての報道なんですけど…」という内容で始まる電話が3回と、ファクス5通が寄せられた。J-CASTニュース編集部に読者からメールがくることは多いが、電話が寄せられるのは、多くても月に数回なので、このペースは異例だ。

 電話はいずれも若い女性の声で、ファクスの差出人もすべて女性の名前だった。彼女たちが主張する内容は、奇妙なくらいに酷似しており、ざっと以下のようなものだ。

  「霊感商法についての報道が相次いでいるが、私が通っているヒーリングサロンは宗教でも霊感商法でもない。非常に快適で、実際にさまざまな効果があった。こんな『奇跡』を与えてくれる場所は他にないが、今回の事件で周囲の目が厳しくなり困っている。心の拠り所を奪わないでほしい。『奇跡』の内容を取材して、公平な報道をしてほしい」

 そして、「神世界」捜索のきっかけとなった、霊感商法で490万円をだまし取られたとされる男性については

  「男性本人も、実際に『奇跡』の恩恵を受け、自分でもその旨明言していたのに、今になって『霊感商法』と主張するのはおかしい。自己責任だ」

と罵るケースが過半数だった。

 主張の内容はいずれも似通っているのだが、体験したと主張する「奇跡」の内容はバリエーションに富んでいる。列挙すると、こんな具合だ。

  「ポリープがなくなった」
  「お通じが良くなった」
  「営業成績が上がった」
  「親子関係が改善した」
  「椎間板ヘルニアが良くなった」

■「サロンの一利用者として、自主的にやったこと」

 中には、

  「子どもが川に落ちて心肺停止状態になったが、遠隔でエネルギーを送ってもらったところ、一命をとりとめた」

という、にわかには信じがたい主張もあった。

 では、誰がこのような「電話・ファクス攻勢」をかけているのか。

 1人は

  「神世界で使っているのと同じ商品を使っているサロンに通う者です」

と話し、また別の人は

  「神世界関係のサロンに通っています」

と話す。また別の電話やファクスでは、「神世界」で「手かざし行為」のことを指す「ご霊光」という言葉が登場したケースも複数あり、神世界と何らかのつながりがある人がマスコミにコンタクトしている、というのは間違いなさそうだ。主張の内容が酷似していることを考えると、サロン側が運動の展開を指示した疑いも浮上するが、女性達はいずれも

  「サロンの一利用者として、自主的にやったこと」

と、組織の関与を否定する。

 送られてきたファクスの中には、5人分の「報道機関へのお願い」を1度に送信してきたものがあり、5枚中3枚には同じ電話番号が書いてあった。あまりにも不自然なのでこの番号に電話をして確認すると、

  「『意見は言いたいが、電話がかかってくると困る』という人のために、『窓口』として、私の番号が書いてあるんです。みんなそれぞれ意見を持っているので、それをとりまとめて送ろう、ということになりました」

などと主張した。

 今回問題となったサロンを運営する、神世界の関連会社「びびっととうきょう」にも取材を試みた。同社では「窓口は一本化している」として広報担当者の連絡先を提供したが、何度かけても「話し中」の状態が続いている。


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