記事登録
2007年12月27日(木) 09時06分

児童デイサービス 介護給付費を不正受給読売新聞

県、指定取り消し 事業者側「調査ずさん」

 障害児に対する架空の福祉サービス記録を市町に提出し、介護給付費を不正受給したとして、県は26日、岡山市東花尻のNPO法人「民間子育て家族サポートハウスたいむカプセル」=石黒悠(ちか)理事長=の、児童デイサービス事業者指定を来年1月31日付で取り消す処分を行った。県は、同法人が既に廃止した居宅介護、短期入所事業でも同様に不正受給したとみて、これら3事業の不正受給額と40%の加算金を合わせた計1016万9000円を関係4市町に返還するよう求めている。同法人は「県の調査はずさんで、処分は不当だ」と主張し、提訴を検討している。

 県によると、同法人は、事業者指定を受けた昨年10月から今年7月にかけて、実際には行っていない日常動作訓練などを記した書類を岡山、倉敷など4市町に提出し、介護給付費を架空請求したとされる。今年5月ごろ、利用者の家族から「利用料が高い」と連絡が寄せられて調べ始め、7月に立ち入り調査をした。

 同法人は直後の8月、県に居宅介護事業と短期入所事業の廃止届を提出。児童デイサービス事業についても、県が聴聞を行った今月18日、廃止届を出した。県はいずれも「処分を逃れるために廃止した可能性が高い」とみている。

 一方、同法人は、居宅介護、短期入所事業の廃止届けを出した理由を「児童デイサービスの利用者が増え、ヘルパーが足りなくなった」などと説明。児童デイサービスの廃止届は「いったん取り消されると、再指定まで時間がかかり、利用者が困るから」としている。

 さらに、今回の処分に対し、「県が証拠書類とした従業員の業務予定表や利用者のサービス一覧表は、作成が義務付けられておらず、大まかな予定しか書いていないので、市町に提出した記録と食い違って当然」「元従業員の聞き取り内容も矛盾点が多い。架空請求はない」と主張している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okayama/news/20071226-OYT8T00653.htm