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2007年12月27日(木) 17時15分

<CSIS報告>全面核戦争ならイラン側死者2800万人毎日新聞

 【エルサレム前田英司】米国のシンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)が、イスラエルとイランの全面核戦争を想定した研究報告をまとめた。報告はイスラエル側の犠牲者数を20万〜80万人と見積もる一方、イラン側の死者は1600万〜2800万人に達し、イラン国土は「壊滅的な打撃を受ける」と予測。より高度な兵器を保有するイスラエルが核戦争を生き延びるとの筋書きを示した。イスラエル紙イディオト・アハロノト(電子版)が伝えた。

 研究は、イランの核開発が継続し、イスラエルや米国が先制攻撃しないことを前提に、2010〜20年に不測の事態でイスラエル、イランの核戦争が起きる事態を想定した。研究の筋書きによると、イランはこの段階で30発の核弾頭を保有。イスラエル最大の商業都市テルアビブや北部ハイファなどを攻撃目標とするイランに対し、推定200発の核弾頭を保有するイスラエルは、ウラン転換施設のあるイラン中部イスファハンや首都テヘランなどを狙う。

 研究によれば、戦争は3週間続く可能性がある。イランの核ミサイルの多くがイスラエルのミサイル防衛網に撃墜される一方、イスラエルは米軍からの情報提供などで正確な攻撃を仕掛けることができるとの判断を下した。

 シリアがイラン側に立って参戦した場合、シリアによる生物・化学兵器の使用でイスラエル側の犠牲者は80万人増えると見込まれるが、核兵器で反撃されるシリア側の死傷者は最大1800万人に達すると推計した。エジプトが参戦した場合も、イスラエルはカイロなどを狙って核兵器で反撃すると予測している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071227-00000079-mai-int