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2007年12月27日(木) 22時12分

採用・昇進にニセ学位、全国で大学教員48人が利用読売新聞

 大学を名乗る海外の団体から授与された博士号などのニセの学位を、大学の採用や昇進の際に利用した大学教員が全国で48人に上ることが27日、文部科学省の調査でわかった。

 同省では、「大学の信頼低下につながる」として、各大学に厳正な対応を求めた。

 調査は、国公私立すべての大学を対象に、今年7〜9月に実施。アメリカ、中国、イギリス、オーストラリアに所在地を設定しているが、それぞれの国から大学と認定されていない団体から授与された“学位”の実態について調べた。

 その結果、こうしたニセ学位を、採用や昇進の際の審査書類に書いていた大学教員は43校48人(国立は7校8人)。このうち、ニセ学位を持っていることが直接的な判断材料となり採用・昇進につながった教員も4校4人いた。多くは、大学の冊子やホームページにニセ学位を記載していた。

 同省などによると、こうした団体は、いずれも教育活動の実態がなく、学位を数十万円程度で売買していることから、「ディグリーミル(学位工場)」と呼ばれている。博士号が取得しにくい文系の教授などが購入するケースも少なくないという。

 国内でも、大分大工学部が今年10月、非公認のアメリカの大学の修士号を申請して採用された准教授の雇用契約を取り消したほか、早稲田大の元教授が、今春の定年退職まで同大の教員データベースに、アメリカの実態不明の大学の博士号を経歴として記載していた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071227it14.htm?from=navr