記事登録
2007年12月27日(木) 21時20分

「放送禁止歌」をオンエア なぜ今年「解禁」に?朝日新聞

 「山谷ブルース」「自衛隊に入ろう」……。内容が放送倫理に触れるとしてテレビやラジオから消えた数々の「放送禁止歌」が27日夜、TBSラジオでオンエアされた。夜7時から9時までの特番「TABOO SONGS2」。放送禁止のはずの歌が今年はなぜオンエアできたのか。そもそも「禁止」していたのはだれだったのか。

日本民間放送連盟が作った「要注意歌謡曲」のリスト

放送禁止とされたレコード

 番組で取り上げられたのは、「自衛隊に入ればこの世は天国」と歌って物議を醸した故・高田渡の「自衛隊に入ろう」や、警官をこき下ろした泉谷しげるの「黒いカバン」など、発売中止歌も含め15曲。ほかにも「イムジン河」(フォーク・クルセダーズ)などが流れた。18曲を取り上げた7月末の特番が好評だったとして、今回は2時間枠に拡大、曲の隅々まで堪能してもらおうとすべてフルコーラスでオンエアした。

 7月の特番では、数十年ぶりに「解禁」された歌もあった。

 加山雄三の「びっこの仔(こ)犬」(69年)は、弱者へのいたわりをつづった哀感漂う歌だったが、70年代以降、差別的表現への意識が高まる中で題が問題視され、日の目をみなくなった。岡林信康の「手紙」(同)は、被差別部落問題に触れるとして封印され、「伝説の禁止歌」と呼ばれてきた。

 「これらは本当に流してはいけない歌なのか。曲全体を聴いて判断してもらいたかった」と番組を作った三条毅史プロデューサーは話す。番組の特設サイトで、曲をオンエアしたことの是非を評価してもらおうとリスナーの投票も募っている。

 「放送禁止歌」は日本民間放送連盟(民放連)が、「個人・団体の名誉や障害者の感情を傷つけるものなどは使わない」とする59年の内規に基づき、放送を規制すべきだとした曲の俗称だ。正式呼称は「要注意歌謡曲」。民放連は、A「放送しない」、B「旋律は使用可」、C「不適当な個所を削除、改訂すればよい」の3ランクに分類し、曲名を挙げてリストを各放送局に通達した。

 リストは、民放連の委員数人が、目につく新譜や放送局から個別に要請のあった曲を審査、5年ごとに見直す仕組みだった。ただ、リストは83年で更新を停止し、87年で効力も消えた。最後のリストには約70曲が載っている。民放連番組部の担当者は「古い資料はなく、個々の指定理由は今や分からない。放送局への指針に過ぎなかったのに制度が独り歩きし、その維持が目的化してしまっていた」と話した。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/culture/update/1227/TKY200712270358.html