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2007年12月27日(木) 03時12分

OHT株で株価操作の弁護士、さいたま地検が逮捕状読売新聞

 東証マザーズ上場の電気検査装置メーカー「オー・エイチ・ティー」(OHT、広島県福山市)株を巡る株価操作事件で、さいたま地検が第1東京弁護士会所属の弁護士椿康雄容疑者(53)について証券取引法違反(相場操縦)の疑いで逮捕状を取ったことがわかった。

 同地検は、椿容疑者が海外に出国したことを確認しており、帰国者情報を把握できる体制を取るため、入管当局にも通報し、行方を捜している。

 調べによると、椿容疑者は別の株価操作事件で公判中の無職中前祐輔(54)(東京都港区)と同関沢賢治(44)(埼玉県越谷市)の両被告と共謀。2005年10月17〜25日、OHT株の取引に投資家を誘い込むため、2500株を買い付けて800株を売り付けたほか、同一人物が売り注文と買い注文を兼ねる仮装売買を繰り返すなどして売買が活発であるかのように装って株価をつり上げた疑い。

 同地検は、中前、関沢両被告から、「椿容疑者とともに株価操作をしようと話し合った」などとの供述が得られたことなどから、容疑が固まったと判断した。

 椿容疑者はOHT社幹部と親しく、OHTが05年6月に実施した21億円の第三者割当増資の引受先となったシンガポールのファンドを探してくるなど、増資に深く関与。増資で大量に発行された株の一部を入手し、売り抜けて利益を得るため、株価操作に及んだとみられる。

 椿容疑者は知人十数人の名義や法人名義を使ってOHT株の取引を続け、今年5月中旬に株価が暴落した直後、国外に出国した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071227i201.htm?from=main2