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2007年12月27日(木) 17時02分

霊感商法 「びびっと」が宗教性隠し契約毎日新聞

 神奈川県警の吉田澄雄警視(51)=警備課長解任=らが関与したとされる霊感商法詐欺事件で、ヒーリングサロン「びびっととうきょう」が、東京都世田谷区の不動産を借りる際「神世界(しんせかい)とは関係ない単なるサロン」と虚偽説明をしていたことが分かった。実際は神世界が運営しており、表札にも神世界と書かれていた。癒やしを前面に押し出し多数の会員を獲得していた事実が判明しており、宗教性を隠す手口を駆使していた実態が浮かんだ。

 この不動産は世田谷区野毛1にあるプール付きの邸宅(延べ約1240平方メートル)と茶室(約21平方メートル)。元々は在日本朝鮮人総連合会中央本部を巡る詐欺事件で起訴された元不動産会社社長、満井忠男被告(74)=拘置中=の居宅で、現在、元公安調査庁長官、緒方重威(しげたけ)被告(73)=同=が設立した不動産会社「S・KO」(東京都杉並区)が所有。月額数百万円で、びびっと側に貸している。

 関係者によると、05年11月ごろ、緒方元長官側から依頼を受けた渋谷区の不動産管理業者が賃貸契約締結の前、神世界グループの関与に気付き、びびっと側に「宗教性のある団体とは契約できない」と伝えた。すると、びびっと側の担当者は「私たちは(各拠点ごとに分かれた)別々のヒーリングサロン。独立採算制で、神世界は表に出てこない(直接関係ない)」と答えた。

 ところがその後、門柱に「Shinsekai Vivid Tokyo」(神世界 びびっととうきょう)と書かれた金色の表札がかかった。不動産管理業者がその点を指摘すると、びびっと側は「神世界の連絡所として使う程度」とサロンとしての使用を強調したという。

 神世界グループの別の拠点で吉田警視が関与したとされる「びびっととうきょう青山サロン」(港区)も「癒やし」を前面に押し出し低料金で多数の会員を獲得。後になって「先祖が苦しんでいる。お迎えの儀式が必要」などと言って、多額の金銭を支払わせていたことが判明している。【永井大介】

 びびっととうきょうの広報担当者は「契約の際、神世界との関係は説明した。事実無根」と反論している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071227-00000013-maip-soci