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2007年12月27日(木) 11時01分

不正受給:障害者11人、市のボランティア制度悪用し1160万円−−横浜 /神奈川毎日新聞

 横浜市内の障害者11人が外出に付き添うようボランティアに依頼したと偽って市に「奨励金」を申請し、6年間で計1160万円余りを不正受給していたことが26日、市の調べで分かった。市は11人に全額の返還を求めた。
 市障害福祉課によると、11人は脳性まひを患った38〜79歳の男女。障害者が外出しやすいように、障害者に付き添ったボランティアに市が1回当たり1900円を支払う「障害者ガイドボランティア事業」を悪用。02年から07年6月に計6108回ボランティアを依頼したことにして、約1160万円を所属する任意団体「市脳性マヒ者協会」を通じて市から受け取った。「生活費に充てた」などと話しているという。
 11人はボランティアの名前を勝手に使い、ボランティア名の印鑑を押して奨励金を請求する書類を偽造していた。手口は口コミで広まったという。最も多い人は756回請求して約144万円を不正受給。少ない人でも142回分の約27万円を受け取っていた。
 この制度は本来、付き添いをしたボランティアが市に申請して奨励金を受け取る仕組み。制度を利用する障害者3団体のうち、同協会だけは「感謝を表すため、ボランティアに直接渡したい」と市に申し入れ、現金が「市→協会→障害者→ボランティア」の順に動いていた。
 このため市のチェック機能は働かず、市障害福祉課の担当者は「協会を信用して例外を認めたが、この事態は想定していなかった」として、例外の廃止を決めた。市と事業を実施する市身体障害者団体連合会は、11人が反省し、不正をした認識のなかった者もいるとして、刑事告訴しない方針。【池田知広】

12月27日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071227-00000022-mailo-l14