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2007年12月26日(水) 08時41分

元小学校長がFXで約1億円脱税産経新聞

 外国為替証拠金取引(FX)で平成18年12月までの3年間で約3億1200万円の所得があったのに申告せず所得税約1億700万円を脱税したとして、大阪国税局が、和歌山県橋本市の中村安雄元教諭(71)を、所得税法違反の罪で和歌山地検に告発していたことが25日、わかった。FXをめぐっては、今年6月までの1年間で、全国で約224億円の申告漏れが見つかっている。
 関係者によると、中村元教諭は店頭金融先物取引会社2社を通じて取引し、16年に約3200万円、17年には約9600万円、18年には約1億8400万円のもうけがあったにもかかわらず申告せず、年金だけを申告。3年間で所得税計約1億700万円を脱税したという。
 中村元教諭は橋本市内の小中学校で教頭や校長を歴任し、退職から数年後の15年10月ごろから220万円を元手に取引を開始。運用益は預貯金や取引の元手として取引会社に預けていた。
 FXは、業者に証拠金といわれる元手を預け、その数十倍の外貨を売買できる。円安になれば大きな利益を得る半面、円高では巨額の損失を被る。店頭取引の業者は税務署への取引履歴書類の提出義務がなく、投資家の自主性に任せるしかないため、脱税の温床と指摘される。
 中村元教諭は、店頭取引なので発覚しないと考えていたといい、「申告したら利益の半分以上が税金で持っていかれると思った。老後の蓄えにしたかった」と話しているという。

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