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2007年12月25日(火) 02時33分

<NHK>会長選任に異論 経営委が手続き見直し検討毎日新聞

 NHKの次期会長選びで、任命権を持つ経営委員会(委員長=古森重隆・富士フイルムホールディングス社長)が25日に決定する方針を示していることに対し、有識者らが24日、慎重な審議を求めて経営委に申し入れを行った。古森委員長主導の人選には、経営委員会内部からも批判が上がっており、経営委は25日の会合で会長選任手続きの見直しを検討する。

 申し入れをしたのは、一連の不祥事を受けNHKが再生に向けた提言を諮問した外部識者の集まり「デジタル時代のNHK懇談会」の有志10人と、NHKの永井多恵子副会長とジャーナリストの原寿雄氏を会長候補として挙げた学者らの組織「推薦する会」。

 25日の経営委で、古森委員長は福地茂雄・アサヒビール相談役、菅原明子経営委員が藤原作弥・元日銀副総裁をそれぞれ推薦する意向だが、2人が具体的候補として経営委で討議されるのは初めて。

 これに対し「懇談会」の吉岡忍氏(ノンフィクション作家)は「議論の内容が見えず、選考プロセスを視聴者に説明した上で選んでほしい。25日に決める必要はない」と、拙速な決定を避けるよう求めた。「推薦する会」は、古森委員長が委員会での審議前に政府・与党へ候補者を打診していた疑いがあると書面で指摘。松田浩・元立命館大教授は「水面下で決める仕組みをやめ、皆で候補者を出し合って選ぶべきだ」と述べた。

 古森委員長は、25日に福地氏を全委員と引き合わせ、決定に持ち込みたい意向。菅原委員は藤原氏の経歴を書面で提示し、時間をかけて決めるよう求めるという。任命には委員12人のうち9人以上の賛成が必要で、即日決定に反発する委員が4人以上出れば決定は持ち越される。【臺宏士、丸山進】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071225-00000007-mai-soci