フィリピンでのエビ養殖への投資を名目に、投資会社「ワールドオーシャンファーム」（本社・東京都）が約４万人から約６００億円を集めたとされる事件で、神戸市内の６０〜７０歳代の女性３人が２５日、「虚偽の事実で出資金を詐取された」などとして、同社と黒岩勇会長、神戸支社長を相手に、計約１３００万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁に起こした。同社をめぐっては、警視庁が７月、関連先を詐欺容疑で家宅捜索している。
被害対策兵庫県弁護団（０７８・３７１・０１７１）によると、同様の提訴は静岡地裁に続いて２番目。東京都、山形、広島両県でも弁護団が結成され、被害者の相談に応じている。
訴状によると、同社は全国各地の説明会で「エビ養殖事業に投資すれば、１年で出資金の２倍の配当金を支払う」などとＰＲ。３人はいずれも知人から「いい話がある」などと誘われ、０６年９月〜０７年５月、同社の口座に１回当たり４０万〜５００万円を数回にわたって振り込んだ。同社は今年１月、配当を停止。３人は、出資金のうち約１３００万円が返還されていないという。