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2007年12月25日(火) 23時01分

「肝炎訴訟の対応、水俣病認定と差」 新潟市長が国批判朝日新聞

 薬害C型肝炎の被害者救済の動きにからみ、新潟市の篠田昭市長は25日の記者会見で、新潟水俣病の認定問題をめぐる政府の姿勢を批判した。同市は24日、新潟県内9人の水俣病認定申請を、環境省の基準に照らして県とともにすべて棄却。市長は、最高裁判決で否定されている国の水俣病認定基準に基づき、審査を続けなければならない自治体の苦しい立場を強調した。

 水俣病かどうかの認定には、77年に旧環境庁が定めた「複数の症状が必要」という国の認定基準を用いるが、04年の関西訴訟最高裁判決が「一つの症状でも対象」とした、より緩やかな基準も併存。「二重基準」の状態が続いている。

 記者会見で市長は「政府は薬害肝炎訴訟の問題では司法の決定以上に踏み込んでいる一方、水俣病では最高裁判決より厳しいハードルを変えられないのは、矛盾している」と発言。認定は国の法定受託事務で国の基準に従わざるを得ない現状にも触れ、薬害C型肝炎問題への対応との違いについて「普通の感覚では矛盾があるし、被害者も当然そう思っていると思う」と語った。さらに「与党プロジェクトチームに本当の解決に向けてもう少し踏み込むよう要望していきたい」とも話した。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/1225/TKY200712250355.html