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2007年12月25日(火) 02時33分

<クレジット規制>店舗販売が法改正の「抜け穴」に 毎日新聞

 一度来た顧客の個人情報を登録し、電話などで執拗(しつよう)に来店を迫る店舗型の次々販売が横行している。経済産業省は割賦販売法改正でクレジット会社に加盟店の調査を義務づけ、違反企業には行政処分を課す方針だが、規制対象は訪問販売、電話勧誘販売など店を構えない商法だけ。消費者相談の現場では早くも「抜け穴」となる懸念が指摘されている。

 全国展開する大手宝石チェーン店。東京都内に住む統合失調症の50代女性は03年3月〜05年6月、通院先の近くにある支店でアクセサリーなど33点計約520万円を買わされた。半数以上は大手クレジット4社の分割払いを利用していた。

 女性は生活保護を受け1人暮らし。患者友達に誘われ通院途中に立ち寄るようになり、マッサージやお茶でもてなされた。支払いは月7万円近くまで膨らみ、100円ハンバーガー1個で1日をしのぐ生活に陥った。

 クレジット契約書には支払総額がなかったり、勤務先欄に福祉作業所の名前が書かれたものも。薬の副作用で手が震える女性に代わり、別人が書いた形跡もあった。被害に気づいた姉が相談機関に電話するのを、女性は止めた。「販売員は優しい人。何とか払うから」。姉は「楽しみが少ない妹を親切そうに装いだましたのは許せない。クレジット会社がちゃんと審査していれば、支払えないと分かったはず」と憤る。

 この宝石店に関する消費生活センターへの相談は過去2年間で110件を超え、うち判断能力が不十分な人のケースは約60件にのぼる。相談員は「店で接客すれば判断力が不十分だと分かるはずで、弱者を狙っているとしか思えない。しかし今の方針では情勢のような被害者は救済対象から漏れてしまう。店舗型の悪質商法も規制しなければ次々販売はなくならない」と話す。

 店舗型の悪質商法では、宝石販売の「ココ山岡」や、呉服の愛染蔵(あぜくら)など、倒産して多くの被害者が出た例が目立つ。経産省は法改正でクレジット会社が加盟店の販売勧誘方法を調べ、通常必要な量を超えると分かった場合は契約を禁じる。店舗での販売については「クレジット産業への影響が大きい」として、対象に含めない方針。【クレジット問題取材班】

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