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2007年12月25日(火) 08時58分

霊感商法事件、吉田警視が2年間現金受領読売新聞

 神奈川県警の前警備課長・吉田澄雄警視(51)の関与が疑われている霊感商法事件で、吉田警視が2年前から、詐欺容疑で捜索を受けた「神(しん)世界」(山梨県甲斐市)の系列会社「E2(イースクェア)」から、毎月数万〜十数万円を受け取り、営利企業への無許可従事を禁じた地方公務員法に抵触する疑いがあることが24日、同県警の調べで分かった。

 吉田警視が、E2の経営する東京・赤坂のヒーリングサロン「びびっととうきょう・青山サロン」の会計事務をしていたことへの報酬とみられ、県警は、預金通帳を押収。吉田警視が、部下の警察官をサロンに誘って霊感商品を買わせるなどしたことが、県警職員服務規程の信用失墜行為に当たるとみて、懲戒処分を検討する。

 調べによると、吉田警視には2005年11月ごろから、毎月、E2から現金が渡っていた。青山サロンの実質的ナンバー2とされる吉田警視は、県警の任意の事情聴取に対し、「会計を任されていたが、報酬はもらっていない」と供述していたが、E2の杉本明枝社長(44)は23日の記者会見で、「月数万〜十数万円を謝礼として支払っていた」と述べた。

 杉本社長は、吉田警視との関係について、「1991年に知り合い、6、7年前からは一緒に山梨県の神世界本部に出かけていた」と説明。「吉田警視は週1回程度、サロンに来ている」としたが、本人による勧誘や、「ご霊光」と呼ばれる手かざし行為などは否定した。

 しかし、これまでの調べで、吉田警視は、県警の警察官をサロンに連れて行ったり、入会をためらっていた横浜市内の男性会社役員(44)に県警の役職が入った名刺を渡し、車で送迎したりしていたことがわかっている。

 また、被害対策弁護団によると、吉田警視と杉本社長が今年初め、サロンに通わなくなったこの男性の会社を訪れ、「神様は怒っている。500万と1000万の祈願が(必要だと)神様から出ている」と持ちかけていたという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071225i102.htm