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2007年12月23日(日) 08時21分

「うそつきローン」ダメ 米FRB、サブプライム対策朝日新聞

 米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題で、焦げつきの急増につながったローン会社による過剰融資が来年、厳しく規制される。米連邦準備制度理事会(FRB)が監督を強め、「収入証明がなくてもOK」といった返済能力を十分考慮しない乱脈ローンを禁じる見通しだ。

 FRBが18日に示した規制強化案は、ローン会社が(1)借り手の収入と資産を十分調べる(2)返済負担の見通しも本人に分かりやすく説明する(3)変動金利型なのに「固定」などの表現で誤解を与える広告の禁止、など。

 約6万の業者がひしめくローン業界の監督は、州政府やFRB、貯蓄機関監督局、連邦預金保険公社などが入り乱れ、規制の徹底が難しかった。州政府の監督下にある中小業者が多く、「悪質な業者は違反行為で摘発されても、別の州に活路を求めて生き延びる例が目立った」(下院金融サービス委員会幹部)。FRBは全米で横断的に規制を強めることになる。

 悪質な融資実態に詳しい元検察官のキャサリン・キースト氏は「極めて緩い貸し付け審査がサブプライム問題の核心。しっかり規制しないと再発もあり得る」と話す。昨年初めまでの低金利による融資競争の激化で、「年収審査の資料省略ローン(ノー・ドック)」や、借り手の返済能力などを偽った「うそつきローン」が広がっていた。

 サブプライム危機対策とともに乱脈融資は姿を消しつつある。規制強化は「手遅れ感が強いが、将来に向けて賢明な対策だ」(エコノミストのジョセフ・ラボーナ氏)との見方が目立つ。

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