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2007年12月22日(土) 08時02分

霊感商法、関与の警視「サロンに使った」 架空投資話で集金、出資法違反も産経新聞

 「神世界」グループの霊感商法事件に関与した疑いがある神奈川県警の吉田澄雄警視(51)が、警察官5人から架空の投資話で集めた現金計430万円を、「(詐欺容疑で捜索を受けた)サロンの経営に使った」と供述していることが21日、県警の調べで分かった。5人は「金を預けてくれれば年利3%をつけて返す」などともちかけられており、県警は不特定多数の人に、後日に出資の払い戻しを約束して現金を預かることや、許可のない者が業として現金を預る行為を禁じた出資法違反容疑の可能性もあるとみて、全容解明を急ぐ。

 吉田警視は、伊勢佐木署の地域課長だった平成3年に、女性から「店の看板を壊された」と事件相談を受けて知り合ったという。その後、女性に「体調が良くない」と訴えたところ、事件の拠点となった東京都港区のサロンを紹介され、通うようになったと説明。サロンは東京・赤坂のビルの最上階20階にあり、250平方メートル以上の広さ。女性は会社名義で平成17年9月に部屋を借り、吉田警視が連帯保証人になっていた。

 調べに対し、吉田警視は、同時期ごろから週に2、3回サロンで会計の手伝いをするようになったことを認め、「サロンの開業資金として経営者女性に1000万円貸した」などと話している。県警は吉田警視が運営に深く関与していたとみている。

 警察官5人から集めた現金430万円は、警察学校教官だった吉田警視が今年3月、教え子の同期会で「義兄が会社を設立する。1口50万。金を預けてくれれば年利3%をつけて返す」と架空の投資話を持ちかけ、銀行口座に振り込ませていた。教え子の1人は「教官だったので断りづらかった」と話しているという。

 吉田警視は、うそを言って振り込ませた現金を「女性が営業資金に困っていたので渡した」と話しており、県警は金の流れについて詳しく調べている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071222-00000065-san-soci