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2007年12月21日(金) 15時01分

<霊感商法>700万円つぎ込んだ巡査長も毎日新聞

 神奈川県警の警備課長を解任された吉田澄雄警視(51)=警備部付に異動=が霊感商法に関与していたとされる事件で、吉田警視から投資話を持ちかけられ現金を振り込んだ部下らが「上司だから断りにくかった」と話していることが21日、県警の調べで分かった。勧誘は警備部のほか刑事部、交通部、警察署員まで及び、グッズ購入などで700万円をつぎこんだ巡査長もいた。県警は上下関係を利用し広範囲に勧誘を繰り返していたとみている。

 調べでは、吉田警視は警察学校教官時代の教え子の同期会に参加した際に「いい話がある。1口50万円元金1年保証、年利3%で返金する」などとうその投資話をもちかけていた。集めた金は、詐欺容疑で20日に県警の家宅捜索を受けた「びびっととうきょう青山サロン」(東京都港区)の女性社長(44)に営業資金として渡していたとみられる。02年ごろにも開業資金として1000万円を女性社長に貸していたという。

 また部下や教え子らから相談を受けると「いい所がある」と青山サロンを紹介し、ヒーリング体験や姓名鑑定、霊感グッズの購入を勧めていた。勧誘された巡査長(36)は「鑑定料やグッズの購入で約700万円を使った」と話している。

 サロンの連帯保証人になっていた横須賀署警備担当次長、稙田紀郎(わさだとしろう)警視(47)も「ヒーリングで約300万円を使った」と話しているという。

 県警は21日も吉田警視から詳しい事情を聴く一方、サロンを運営する「神世界(しんせかい)」の関係先のサロンの家宅捜索を続けている。捜索場所は計66カ所に上る予定。【堀智行、野口由紀、鈴木一生】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071221-00000067-mai-soci