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2007年12月20日(木) 01時45分

<労災隠し>竹中工務店、愛知の工場建設現場での事故届けず毎日新聞

 大手ゼネコン「竹中工務店」(大阪市)は19日、同社が請け負った愛知県刈谷市のトヨタ車体新工場建設現場で労災事故があったのに、労働基準監督署に届けていなかったと発表した。トヨタ車体には、「骨折、入院」と書かれた病院の診断書を「打撲、治療不要」と改ざんして提出していた。刈谷労基署は労働安全衛生法違反の疑いで調べている。

 竹中工務店によると、事故は05年10月2日に発生。2次下請けの塗装会社男性作業員(62)が高所作業車で作業中、車体が傾いて足を強打し、全治1カ月の左足骨折で入院が必要と診断された。だが、現場の竹中工務店社員の作業所長(57)と下請け会社社長が相談し、診断書を改ざんして提出したうえ、労基署にも労災報告をしなかった。治療費は最終的に竹中工務店が負担したという。

 元請けの竹中工務店に労基署への報告義務はないが、作業所長らは社内調査に「事故直前の9月、別の現場で労災事故を起こしており、再度の労災を表に出したくなかった」と説明したという。今月、トヨタ車体に匿名の投書があり、竹中工務店名古屋支店で調査していた。既に労基署には報告、事情聴取を受けた。

 竹中工務店は11月、大阪市のマンション建設現場で労災隠しをしていたとして、同法違反の罪で大阪地検が略式起訴している。【山田一晶】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071220-00000010-mai-soci