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2007年12月20日(木) 03時11分

霊感商法拠点に神奈川県警警視が関与 名義人と保証人朝日新聞

 神奈川県警の警備課長(51)名義で賃借されている東京都港区内の高級マンションの一室を舞台に、不当に高額商品を買わせる「霊感商法」が行われていた疑いが強いことが19日、分かった。保証人も、課長の元同僚の警察署警備担当次長(47)がなっていた。商法を展開していたのは山梨県内に拠点を置く宗教色のある有限会社で、県警は近く、詐欺容疑で捜査に乗り出し、警備課長らの関与についても調べる方針だ。

 県警などによると、この商法に関与した疑いが持たれている警備課長と警察署警備担当次長は03年4月ごろ、この部屋の賃貸契約の名義人と保証人になっていた。いずれも警視で、かつて同じ職場にいたという。

 調べでは、この部屋は、同社が各地で「癒やし」や「セラピー」などを掲げて運営しているサロンの一つ。女性を中心にした客の悩みや美容の相談を受け、ペンダントやお守りのような宗教的な物品を購入させていたとされ、県警は一連の売買が詐欺にあたるとみている。

 同社を巡っては、「霊感商法で高額なグッズを買わされた」などとして、多くの客との間でトラブルが続発。客からの相談を受けている弁護士によると、関連店舗は全国に100前後あり、被害は1000人以上、被害額は100億円近くにのぼるという。

 一方、県警は、警備課長が複数回、このマンションに出入りしていることを確認した。さらに、課長の銀行口座に数人の警察官から、それぞれ数十万円単位の不自然な現金の振り込みがあったことも把握。振り込んだのは、課長のかつての同僚や課長が警察学校の教官をしていた時の教え子らで、県警は問題商法の被害者とみている。

 県警本部の警備課長は、警備警察の運用上のトップで、大規模なスポーツ試合などの警備のほか、警備に伴う捜査を担当する。問題商法に関与していた疑いのある警備課長は、将来の部長候補と目されていたという。 アサヒ・コムトップへ

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