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2007年12月20日(木) 23時04分

霊感商法疑惑、県警課長室など捜索産経新聞

 神奈川県警警備課長の吉田澄雄警視(51)が、心身の疲れを癒す「ヒーリングサロン」を装い客に高額な宗教用品を売りつける霊感商法に関与している疑惑に関連して、県警生活経済課は20日、詐欺の疑いで、有限会社「神(しん)世界」(山梨県甲斐市)と下部組織の「びびっととうきょう・青山サロン」(東京都港区)、県警の警備課長室や吉田警視の自宅など66カ所を家宅捜索した。
 県警は同日付で警備課長を解任し、警備部付にする人事を発令。サロンに出入りしていた吉田警視は任意の聴取に「困っている人を助ける善意でやった。(警察学校の)教え子に金を借りたが、霊感商法など詐欺をした認識はない」と供述しており、県警は警視の銀行口座に入金するなどしていた警察官8人からも詳しい事情を聴いている。
 吉田警視は、県警察学校教官や警備部の重要ポストを歴任。警察組織の上下関係を利用して部下にサロンの入会を勧めるとともに、「義兄が会社を設立する。金を預けてくれれば年利3%をつけて返す」などと持ちかけ、教え子数人から計430万円を振り込ませていた。サロンへの出入りについては「週3回、金の集計の手伝いをしていた」と話しているという。県警は押収資料の分析を進め、警視の関与と合わせて霊感商法の全容解明を目指す。
 調べでは、サロン経営の女性役員(44)は平成16年4月中旬、横浜市内の男性(41)に「あなたの会社は戦国時代、首切り場だった。霊が成仏できずにさまよい、運気を下げている」と不安をあおり、「業績アップには特別祈願が必要で、最低200万円以上、最高7000万円かかる」と持ちかけて現金約490万円をだまし取った疑い。
 男性は約3年前、友人に勧められてサロンに行き、これまでに除霊代や水代として計約2000万円をだまし取られたという。
 サロンは、港区赤坂の高級マンション20階にあり、吉田警視が賃貸契約の連帯保証人となっていた。このマンション13階の一室は吉田警視が賃貸しており、横須賀署の別の警視(47)が連帯保証人となっている。

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