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2007年12月20日(木) 21時49分

<霊感商法>お札1枚52万円 「神世界」被害弁護団明かす毎日新聞

 「『警察の偉い人もいる』と言って誘われた」。神奈川県警が詐欺容疑で有限会社「神世界(しんせかい)」の関係先を一斉捜索したのを受け、全国霊感商法対策弁護士連絡会の紀藤正樹弁護士らが20日、「神世界被害対策弁護団」を結成し、被害実態の一端を明らかにした。団長に就任した紀藤弁護士は神世界の商法について「最近のスピリチュアルブームを利用したもので、非常に問題が多い。できるだけ多くの被害者を救済したい」と述べた。

 弁護団は霊感商法問題に取り組んできた弁護士ら約10人で結成。被害者の声を集め、捜査機関と連携しながら神世界の実態を解明し、被害救済を進めていく方針。

 東京都千代田区で会見した弁護団によると、連絡会に寄せられた神世界に関する相談は05年1件、06年9件、07年は20日までに17件と急増。潜在的なものも含めれば「1000人が被害を受け、被害総額は100億円になると思われる」との見方を示した。神世界と警察幹部との関係を持ち出して勧誘された被害者もいるという。

 神世界が経営するヒーリングサロンは最初は低額で人を呼び込み、悩みなどの相談を受けると「先祖の因縁」などと不安をあおったうえ、教義が書かれた書物「神書」やランクごとに値段の違う「ライセンス」と呼ばれるお札のような紙を高額で売りつける手口が目立っている。ライセンスは▽「初級」が10万5000円▽観音が描かれた「中級」が21万円▽「上級」は52万5000円もするという。支払えない人には新規加入者の勧誘もさせていた。

 弁護団の問い合わせはリンク総合法律事務所(03・3515・6681)。【山衛守剛】

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