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2007年12月20日(木) 20時32分

<霊感商法>神奈川県警視、部下ら勧誘認める 女社長と同居毎日新聞

 神奈川県警の警備課長を解任された吉田澄雄警視(51)=警備部付に異動=が「除霊」などの名目で現金をだまし取る霊感商法に関与していた問題で、吉田警視はこの商法を展開していた疑いのある「びびっととうきょう青山サロン」(東京都港区)の女性社長(44)を援助するため「義兄が会社を設立する」とうそをついて部下の警察官らから430万円を集めていたことが県警の調べで分かった。県警は金集めと霊感商法との関連についてさらに捜査する。

 調べでは、吉田警視は20階にサロンが入居するマンションの13階で女性社長と生活をともにしており、「91年、(同県警)伊勢佐木署の地域課長の時に知り合い、サロンが忙しくなった05年ごろから『手伝ってくれ』と言われ、会計の手伝いを任されるようになった」と説明している。

 サロンの運営を支援するため、今年2〜3月ごろに開かれた警察学校の教え子の同期会に出席した際に「義兄が銀行役員で、1年間元金保証で年利3%で返却する」などとうその投資話を持ちかけていたほか、サロン開設時の連帯保証人になっていた県警横須賀署警備担当次長の稙田紀郎(わさだとしろう)警視(47)らを客としてサロンに連れて行き、ヒーリング体験などをさせていたという。

 一方、県警は20日、同サロンやサロンを運営する有限会社「神世界(しんせかい)」本部(山梨県甲斐市)、県警本部(横浜市中区)の警備課長室、吉田警視の自宅(同市金沢区)など計25カ所を家宅捜索した。

 吉田警視は「サロンからは一銭ももらっていない。善意で困っている人を助けるためで、霊感商法や詐欺という意識はない。神世界の神は本物と思っている」とも話しているという。県警によると、これまでに計5人の警察官が「吉田警視から霊感商法に勧誘された」と名乗り出た。【堀智行、野口由紀、鈴木一生】

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