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2007年12月20日(木) 05時01分

<霊感商法>神奈川県警警視が関与か ヒーリングサロン装う毎日新聞

 神奈川県警警備部の課長職にある男性警視(51)が、ヒーリングサロンを装って法外な値段でお札やお守りを売りつける霊感商法に関与している疑いがあることが19日、県警の調べで分かった。サロンを運営している企業グループから警視が金を得ていた疑いも浮上しており、県警は警視から詳しく事情を聴く一方、企業グループを詐欺容疑で捜査する方針だ。

 調べでは、警視は知人女性が東京都港区のビルで企業グループ系列のサロンを開設した際、部屋の賃借契約の名義人や連帯保証人となっている。県警横須賀署の警備担当次長も連帯保証人に名を連ねていた。警視の口座にはグループ側から多額の現金が入金されていたことも確認されているという。サロンの部屋には警視の部下の警察官数人が出入りしていたとみられ、警視が部下を勧誘していた可能性もあるという。

 警視は警備部の課長級ポストなどを歴任し、01年4月から02年10月まで警察庁警備局にも出向していた。07年9月から警備部の課長を務めている。

 県警や被害者団体作成のホームページによると、ヒーリングサロンは山梨県に拠点がある宗教団体が運営する有限会社と企業グループが運営し、全国に同様のサロンが数十店舗あるという。1000円からのヒーリング体験から始まり「先祖のたたりがついている」などと言ったり「除霊」と称して10万円以上のお守りや絵画を売りつけるケースなどもあり、被害額は数千万円以上に上るという。県警に9月ごろから被害相談が寄せられ、今月被害届が出ていた。

 県警では99年、現職警察官の覚せい剤使用を組織ぐるみで隠していた不祥事が発覚している。当時の本部長ら元幹部5人が犯人隠匿罪などで起訴され、有罪判決を受けている。【堀智行、野口由紀】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071220-00000024-mai-soci