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2007年12月20日(木) 21時26分

百貨店など10社に警告 家具・地鶏で不当表示 公取委朝日新聞

 中元や特設イベントで扱った家具や鶏肉などの商品について、産地表示が誤ったまま販売されていたとして、公正取引委員会は20日、伊勢丹や小田急百貨店など大手百貨店やスーパー計10社に対し、景品表示法違反(優良誤認、原産国不当表示)のおそれがあるとして警告を出した。各店から発注を受けた業者が、発注の産地とは異なる商品などを納入し、各店がそのまま販売していたという。公取委は業界団体に対し、店が自ら表示を確認したうえで販売するよう要望書を出した。

 調べでは、小田急百貨店(東京)は、今年5〜7月に魚の干物を集めた中元商品「山口・仙崎一夜干」の詰め合わせを販売したが、セットには山口・仙崎産だけではなく、山口・下関産のフグや、島根・浜田産のカレイなど別産地の干物も含まれていた。

 また、スーパーのユニー(愛知)は5〜8月、宮崎県知事似のイラスト入りの中元用カタログに、ブロイラーを「宮崎地鶏」と表示して販売。ジェイアール西日本伊勢丹(京都)も、催事場の宮崎特集コーナーで扱ったブロイラーについて、新聞チラシに「地鶏炭火焼」と表示した。

 丸井今井(北海道)▽伊勢丹(東京)▽京王百貨店(同)▽松屋(同)▽岩田屋(福岡)▽宮崎山形屋(宮崎)▽山形屋(鹿児島)の7店は家具販売で警告を受けた。各店は9〜10月、「イタリア展」などのタイトルをつけた催事場で、中国製のイス(約3万円)やソファ(十数万円)を販売したという。

 いずれも納入業者が仕入れ段階で産地などを誤ったのが原因だという。「一夜干」では、店は仙崎産を指定したが、納入業者が他産地の干物を混ぜていた。家具では、卸売業者が輸入業者に発注する際に、中国産の家具をイタリア産と勘違いしていたという。

 景表法の対象は、消費者に直接、表示をする業者となる。そのため、不当表示の原因が仕入れ段階にあったとしても、法に問われるのは小売店だけとなる。

 公取委は「百貨店への消費者の信頼は非常に大きいが、販売時に表示の再確認をしている店はほとんどない」と指摘している。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/1220/TKY200712200320.html