記事登録
2007年12月19日(水) 12時55分

<暴力団捜索>道仁会本部など50カ所 4県警が一斉に毎日新聞

 福岡県久留米市で11月、指定暴力団道仁会(本部・同市)系組長ら2人が相次いで殺害された事件で、福岡、佐賀、長崎、熊本の4県警は19日午前、同会と、対立する暴力団九州誠道会(本部・同県大牟田市)の両本部事務所など計50カ所を殺人容疑で一斉捜索に乗り出した。両組織の間で抗争事件が始まった昨年5月以降、初の一斉捜索で、捜査員はこれまでで最大の約800人を投入。異例の態勢で抗争封じ込めを図る構えだ。

 事件は11月27日発生。午後9時35分ごろ、久留米市合川町のマンション駐車場で、道仁会大平組の松尾義和組長(当時61歳)が拳銃で撃たれ死亡。さらに約5分後、近くの交差点で、松尾組長の車を運転していた藤村要運転手(同48歳)が刺殺された。福岡県警は九州誠道会による襲撃との見方を強め、逃げた男の行方を追っている。

 道仁会を巡っては、昨年5月の会長人事などを巡り、反発する一部組織が離脱して九州誠道会を結成。分裂に伴うとみられる発砲・爆発事件などがこれまでに4県で計二十数件発生した。昨年8月には福岡市中央区の路上で道仁会の松尾義久会長(同56歳)が射殺されるなど両組織で計6人の死者が出ている。

 抗争激化を受け、福岡県警は先月30日、「道仁会・九州誠道会対立抗争事件総合対策本部」を設置。約600人を福岡・筑後両地区の事件捜査や警戒活動などに充てている。

 県警組織犯罪対策課によると、両組織の構成員・準構成員は道仁会が約950人、九州誠道会が約440人(6月末現在)。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071219-00000053-mai-soci