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2007年12月18日(火) 15時02分

<佐世保乱射>「大きなことできる」 馬込容疑者が“予告”毎日新聞

 長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件で、県警が馬込政義容疑者(当時37歳)の自宅=同市船越町=から、軍事用品が掲載されたカタログや専門書を多数押収していることが分かった。また事件前、現場のスポーツクラブに誘った同級生ら10人近くのうちの一部に「おれは大きなことができる。人間は死ぬっちゃけん」などと事件の“予告”とも受け取れる発言をしていたことも県警の調べで判明した。

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 県警は、馬込容疑者が同級生や、一方的に好意を寄せていたクラブの水泳コーチ、倉本舞衣さん(同26歳)の前で事件を決行し、自殺の“道連れ”にしたとみて調べている。

 調べなどでは、馬込容疑者が乗り捨てた車の中に、イタリアやアメリカ製などの散弾銃のほか、殺傷能力の高いスラッグ弾など少なくとも3種類の弾が計約2500発残されていた。ガンベルトが付いた迷彩柄のベスト型「プロテクター」(射撃用防護服)も遺体のそばにあった。事件時はブーツに兵士用鉄かぶと姿で、防弾チョッキや迷彩服の上にプロテクターを身につけていたという。また、事件で使用した自動式散弾銃はレーザー照準装置も装備していた。

 銃や実弾、軍事用品を買い集める一方で、佐世保市周辺の射撃場や狩猟場では練習や猟をした形跡はほとんど残っていなかったという。また、軍事関連のサイトにも頻繁にアクセスし、カタログなどをネットで購入していた履歴も残っていたという。県警は、軍事マニアだった可能性もあるとみてアクセスの履歴確認も進めている。

 一方、馬込容疑者は現場に誘った10人近くの同級生に「スポーツクラブで金持ちの女を見つけた。パーティーをする」とのメッセージを留守番電話に入れたり、クラブの体験、見学コースに招くなどさまざまな誘い方をしていた。馬込容疑者は同級生らを誘った際に「おれは大きなことができる」「まじめに働いても大した人生じゃなか」などと自暴自棄な発言もしていた。

 クラブの会員だった馬込容疑者は、最近になってほぼ毎日、クラブに通っていたことが確認されている。頻繁に訪れる中で勤務状況などを熟知し、倉本さんがプールで子供たちを指導する金曜日の夕方を選んで犯行に及んだとみられる。

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