記事登録
2007年12月17日(月) 15時43分

「射殺、ある人が指示」再逮捕の組員が供述読売新聞

 佐賀県武雄市で11月8日、入院患者が射殺された事件で、殺人容疑で同県警に再逮捕された指定暴力団道仁会(本部・福岡県久留米市)系組員今田文雄被告(61)(銃刀法違反の罪などで起訴)が「ある人に九州誠道会の関係者だと指示され、言われた通りに撃った」と供述していたことがわかった。

 道仁会は暴力団九州誠道会(本部・福岡県大牟田市)と抗争中で、殺害された板金業宮元洋さん(当時34歳)は暴力団とつながりがないうえ、今田被告も宮元さんとは面識はなく、「人違い」だった。

 県警は、今田被告に指示した人物の特定を急ぐとともに、射殺対象者がだれだったかを追及、道仁会の組織的な関与について捜査している。

 調べによると、今田被告は「ある人の指示で病院に行き、男性を射殺した。男性は九州誠道会の関係者と聞いていた」と供述。「ある人」がだれだったかについては口を閉ざしているという。

 犯行に使用した銃は「ある人から譲り受けた」としていたが、入手経路についても供述を拒んだ。

 宮元さんの病室には、九州誠道会と接点があるとみられる企業の幹部が、事件直前まで入院していた。

 県警は、今田被告が〈1〉この男性を狙って人違いで宮元さんを射殺した〈2〉この男性とは別に誠道会関係者が入院しているという誤った情報をもとに宮元さんを襲撃した〈3〉宮元さんが誠道会と関係があるという誤った指示を受けた——の可能性があるとみて捜査を進める。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071217i407.htm?from=navr