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2007年12月17日(月) 11時20分

消費者金融に借金…母親も不安視 散弾銃乱射容疑者産経新聞

 長崎県佐世保市のスポーツクラブで2人が死亡、6人が重軽傷を負った散弾銃乱射事件で、逃走後に自殺した馬込政義容疑者(37)=同市船越町=が消費者金融に少なくとも数十万円の借金をしていたことが17日、佐世保署捜査本部の調べで分かった。馬込容疑者は数年前から定職に就いていなかったが、散弾銃や新車などを購入し、両親に無心することも多かったという。捜査本部は借金などで精神的に追いつめられたことも犯行の背景にあるとみて動機との関連を調べる。

 調べでは、馬込容疑者は地元の小中学校と高校を卒業後、職業訓練学校などを経て電気会社や地元の総合病院などで働いたが、いずれも長続きせず、約8年前に退職した後は職を転々とし、犯行時は定職に就いていなかった。

 関係者の話では、馬込容疑者は数年前に300万円以上の国産ワゴン車や1丁約20万円の散弾銃を購入。趣味の釣り用に中古のプレジャーボートも購入するなど金遣いが荒く、その費用は市職員だった父親の退職金や借金で捻出(ねんしゅつ)していた。

 馬込容疑者が散弾銃を最初に所持した5年前には、消費者金融などから借りた約500万円の返済にも父親の退職金を充てており、父親は「息子が勝手に借金をして困っている」などと周囲にも愚痴をこぼしていたという。

 馬込容疑者はその後も父親への無心を繰り返しており、今年10月には新車を買い替え、消費者金融に少なくとも数十万円の借金があった。母親から同容疑者の借金について相談されたという近所の無職男性(71)は「息子に頼まれたら嫌とはいえなかったようだ」と話す。

 また馬込容疑者の母親が事件前、「息子が何をしでかすか分からない」と近隣住人に不安を打ち明けていたことも判明。両親も馬込容疑者が多額の借金を重ねたり、近所とトラブルを起こすことに手をこまねいていたとみられ、捜査本部は事件前の不安定な精神状態を示す重要な証言とみている。


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