記事登録
2007年12月16日(日) 21時23分

<入院患者射殺>2容疑者を再逮捕 殺人容疑で佐賀県警毎日新聞

 佐賀県武雄市の医院で入院患者が射殺された事件で、佐賀県警は16日、福岡市城南区、指定暴力団道仁会系組員、今田文雄(61)と、同市博多区、無職、鳥井敏子(44)の両容疑者を殺人容疑で再逮捕した。事件で死亡した板金業、宮元洋さん(34)=武雄市山内町=の周辺には暴力団とのトラブルが見当たらないため、県警は宮元さんが別の人物と間違われて撃たれたとみており、動機や背後関係を追及する。

 調べでは、両容疑者は共謀し、11月8日午前7時40分ごろ、武雄市朝日町の医院に侵入し、拳銃を発砲。入院していた宮元さんを殺害した疑い。今田容疑者は「病院に行って拳銃で男を撃った」と容疑を認め、鳥井容疑者は「武雄まで車を運転しただけ」などと事件への関与を否認している。

 事件後、佐賀県警が医院の防犯カメラの映像を公開したところ「今田容疑者と似ている」などの情報が約10件寄せられたほか、事件当日、医院近くのホテルやスーパーで今田容疑者とみられる男が女と一緒に行動していたことが判明。殺人容疑で2人の逮捕状を取り、行方を追っていた。

 今田容疑者は同月25日、福岡県大野城市内で同県警捜査員に職務質問された際に発砲。銃刀法違反(所持)容疑で現行犯逮捕され、一緒にいた鳥井容疑者も覚せい剤所持容疑で逮捕された。

 その後の佐賀、福岡両県警の調べで、武雄市の事件で見つかった拳銃の弾丸と大野城市で使われた拳銃の線条痕が一致。両容疑者が殺人事件にかかわっていたと断定した。

 県警武雄署の岩瀬常幸署長は16日夕、事件で亡くなった宮元さん宅を訪れ、遺族に両容疑者の再逮捕を報告した。「今後の捜査で事件の全容を解明していきますので見守って下さい」と伝えると、妻の篤紀さん(35)は「ありがとうございます」としっかりした様子で答え、子どもたちに「犯人が捕まったよ」と語りかけたという。

 ◇覚せい剤事件で2容疑者起訴

 一方、福岡地検は16日、今田容疑者を銃刀法違反(所持)と覚せい剤取締法違反(使用)、鳥井容疑者を覚せい剤取締法違反(同)の罪でそれぞれ起訴した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071216-00000079-mai-soci