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2007年12月16日(日) 20時00分

タミフル服用者6割=インフルエンザで異常行動−今季新たに3例報告・厚労省部会時事通信

 インフルエンザ治療薬「タミフル」と異常行動との関連を臨床面から検討している厚生労働省の専門家作業部会が16日開かれ、インフルエンザ罹患(りかん)時の異常行動137例の分析結果が報告された。うちタミフルを服用していた人は6割だった。
 部会の内山真・日大教授は「インフルエンザで異常行動が起きることがはっきりした。タミフルが直接起こす可能性はかなり小さいが、リスクを上げるのかどうかはまだ分からない」としている。
 調査はすべての医療機関を対象に、昨シーズンにインフルエンザと診断され、突然走りだしたり飛び降りたりした事例を収集。350例報告され、30歳未満の重度な異常行動は137例だった。
 タミフル服用ありは82人(60%)、なしは52人(38%)、不明が3人(2%)。異常行動は寝ぼけの状態で起きることが多く、睡眠との関連を調べたところ、目覚めて直ちに起こった例が約半数で、タミフル服用の有無で差はなかった。
 今シーズンについてもデータ収集・分析を続ける予定。
 同日の部会ではまた、10月1日以降の異常行動が、タミフル使用者で3例、リレンザ使用者で2例起きていることも報告された。突然ベランダに向かって走りだしたり、飛び降りようとしたりした例で、いずれも回復した。 

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