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2007年12月14日(金) 00時00分

品格読売新聞

 夏巡業を病気で休んだにもかかわらず、モンゴルでサッカーに興じていたことが発覚して2場所の出場停止処分を受け、その後母国で病気療養していた朝青龍が、先日帰国して謝罪会見をしました。

 会見では、「横綱の品格に欠けているのではないか」と厳しい質問が記者から飛びました。

 この「横綱の品格」を英語では、「尊厳」を表す dignity を使って、dignity expected of a yokozuna(横綱に求められる尊厳)、あるいは yokozuna dignity と言えます。

 How do you respond to the opinion that you lack the dignity expected of a yokozuna? という先の質問に、朝青龍は「そのあたりは今後磨いていきたい」と述べましたが、これは I'll refine myself to a level worthy of the top rank.と表現できます。

 他に王者の威厳では、 AC Milan is required to prove themselves as the reigning European champion at the Club World Cup because they are struggling in the domestic league this season.(国内リーグで今季苦戦中のACミランは、ヨーロッパ王者としての威厳をサッカー・クラブW杯で証明しなければならない)などとも言えます。

 横綱やチャンピオンの場合は「威厳」「風格」ですが、今年のベストセラーとなった昭和女子大学長、坂東真理子さんの著書の題である「女性の品格」(PHP新書)はどうでしょうか。

 こちらは、女性らしさ、女性に求められる上品さやマナーを述べた本ですので、 sophistication や graciousness、elegance との表現が合うでしょう。

 少し古いですが、オードリー・ヘプバーン主演の映画「麗しのサブリナ」。この中で主役の女性サブリナは大きく変身します。 After spending two years at a cooking school in Paris,Sabrina is transformed from a gawky girl into a sophisticated and attractive young lady.(パリの料理学校で2年間を過ごした後、サブリナはヤボったい女の子から、洗練された魅力的な女性へと生まれ変わった)

 威厳や風格には無縁という人も多いかも知れませんが、気高さや礼儀正しさといった品格の方は、男女問わずきちんと身につけたいものです。(上羽宏幸記者)

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