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2007年12月14日(金) 21時29分

脂身注入「霜降り馬刺し」居酒屋チェーンなどに排除命令読売新聞

 赤身に脂身を注入した馬肉を「霜降り馬刺し」などと表示して販売したのは景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、公正取引委員会は14日、大手居酒屋チェーンや食肉製造販売業者など計5社に対し、再発防止を求める排除命令を出した。

 命令を受けたのは、居酒屋「白木屋」「月の宴」などをチェーン展開する「モンテローザ」(東京都新宿区)、「村さ来」の「村さ来本社」(中央区)、「酔虎伝」「八剣伝」の「マルシェ」(大阪市)の3社と、食肉製造販売「ファンシー」(東京都台東区)、スーパーチェーン「トーホー」(神戸市)。

 公取委によると、居酒屋チェーン3社は、馬脂(ばし)注入馬肉と認識して商品を仕入れ、計約1000店舗で馬刺しの材料に使っていたが、メニューやチラシには「とろ馬刺」「霜降り馬刺し」などと記載していた。

 ファンシーは、馬の赤身肉に針を刺し、馬脂を注入した商品の包装袋に「極旨霜降り馬刺し」と表示。トーホーは、ファンシーから仕入れた商品に「霜降馬刺」などのラベルを張りつけ、業務用スーパー「A—プライス」計93店舗で販売した。

 馬肉は近年、居酒屋チェーンが扱い始めてから需要が伸びているといい、注入馬肉の昨年度の卸段階での売り上げは計約16億円という。

 赤身肉のうまみを増すため、脂を注入する加工は特に違法ではなく、現在、ファンシーなど計4社が馬脂注入加工を手がけているという。不当表示は、2004年から公取委が調査に入った今年までの間に行われていた。

 処分を受けたトーホーは「馬刺し(馬脂注入品)」という表示に改めたほか、居酒屋チェーン3社も、馬刺しの材料を自然飼育した霜降り肉や赤身肉に切り替えるなどしている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071214i113.htm