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2007年12月14日(金) 16時44分

振り込め詐欺 被害回復法が成立 裁判経ず被害金返還へ毎日新聞

 振り込め詐欺など預金口座を利用した犯罪の被害金を返還する「振り込め詐欺被害回復分配金支払い法」が14日午前、参院本会議で全会一致で可決、成立した。犯罪口座に振り込まれたまま残っている被害金を、裁判を経ずに迅速に返還する仕組みを創設するもので、金融庁が具体的な制度を定めたうえで来年夏にも返還手続きが始まる見通しだ。 

 返還の仕組みは、まず預金保険機構がインターネットで被害金を返還する犯罪口座の番号や名義人などを公告する。被害者は振込票など被害に遭ったことを証明する資料を付けて、金融機関に申請する。

 被害が確認されれば被害金が返還されるが、犯人がその口座からすでにお金を引き出している場合は残ったお金を配分することになるため、分配金が実際の被害額を下回るケースも多くなりそうだ。

 これまでは、被害金を返還してもらうには原則として被害者が裁判を起こす必要があった。裁判になっても犯罪口座に被害金が含まれていることを証明するのが難しく敗訴するケースが多いため、犯罪口座には06年度末時点で約70億円が被害者に返還されないまま残っているとされる。【清水憲司】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071214-00000015-maip-soci