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2007年12月13日(木) 17時05分

タイヤ脱落母子3人死傷 横浜地裁判決 元三菱自部長ら有罪産経新聞

 横浜市で平成14年、三菱自動車製大型トレーラーのタイヤが脱落、母子3人が死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた元同社市場品質部長、村川洋被告(61)と元同部グループ長、三木広俊被告(59)に対する判決公判が13日、横浜地裁で開かれた。木口信之裁判長は両被告に禁固1年6月、執行猶予3年を言い渡した。村川被告には禁固2年、三木被告には禁固1年6月が求刑されていた。

 この事故をきっかけに一連の欠陥隠しが発覚。三菱自の欠陥隠しをめぐる刑事裁判の判決は、道路運送車両法違反罪に問われた元三菱ふそうトラック・バス会長、宇佐美隆被告(67)らを無罪とした昨年12月の横浜簡裁判決に次ぎ2件目。

 事故は14年1月、横浜市で発生。脱落したタイヤの直撃を受けた主婦、岡本紫穂さん=当時(29)=が死亡、長男と二男も負傷した。タイヤと車軸をつなぐ部品「ハブ」が破損していた。

 公判では、(1)ハブ破損の原因は強度不足か(2)両被告が強度不足を認識し、放置すれば事故につながることを予測できたか(3)両被告がリコールなどの措置を取り事故を回避できたか−が争われた。

 検察側は11年に広島で起きた高速バスタイヤ脱落事故の際、両被告が「ハブの破損が原因だったことを隠し当時の運輸省にうそを報告した」と指摘。「強度不足を認識しながら欠陥を放置し事故を招いた」と主張した。

 これに対し弁護側は「社内では破損は整備不良などが原因とされ、強度不足を疑う余地はなかった。両被告は破損がほかにもあったことを十分認識しておらず、リコールなどの権限もなかった」と反論、無罪を主張していた。

 三菱自の欠陥隠しをめぐっては、14年1月の横浜市の「母子死傷事故」と同年10月の山口県の「トラック運転手死亡事故」に絡み3つの刑事裁判と2つの民事裁判が争われ、刑事では三菱自側の被告8人全員が無罪を主張。運転手死亡事故をめぐり欠陥を放置し事故を引き起こしたとして、業務上過失致死罪に問われた元三菱自社長、河添克彦被告(71)ら4人に対する判決は、横浜地裁で来年1月16日に言い渡される。

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